物体の運動など、地球上で起こる数々の事象を解き明かしていく学問の物理学。
この物理学を大学で習うにあたっては、高校とは比較にならないほどの非常に高度な知識が必要とされます。
そのため、大学生の方の中には、物理に苦手意識を感じている方も少なくないはずです。
そこで今回の記事では、大学物理を学習していくにあたってわかりやすいと評判のある参考書を、12点ピックアップして紹介していきましょう。
独学で挑む大学物理のわかりやすい勉強法は?
上でも述べたとおり、大学で学ぶ物理は、高校のものとは比べものにならないほど高度な知識が必要です。
そのため、独学で学ぶ場合は、基本的な勉強方法を実践していかないと、一向に理解が深まることはありません。
そこでおすすめのわかりやすい勉強法となるのが、最初に力学を体系的に学んでいくことです。
力学は、応用数学や量子光学、振動波動論などと比較してもわかりやすい単元にあたりますので、物理を学習するうえでの取っ掛かりとしては最適です。
また、理解をスムーズに深めていくことで、物理に対する苦手意識も薄れていくことが期待できます。
そんな力学のおすすめの参考書は、記事の後半で多く取り上げていますので、ぜひ最後までご覧ください。
もちろん、ほかの分野の参考書についても厳選して掲載していますから、独学派の方も安心してセレクトできます。
大学物理を完全攻略!おすすめ参考書9選!
続いて、本記事の主テーマとなる大学物理を攻略するための参考書について、紹介していきましょう。
ここでは、大学で習う物理の単元の中でも様々な分野に対応できるよう、幅広いバリエーションの参考書を取り上げました。
科学のセンスをつかむ物理学の基礎―エネルギーの理解を軸に
引用:京都大学学術出版会
物理の基礎学習に取り組む際、おすすめの参考書となるのが「科学のセンスをつかむ物理学の基礎―エネルギーの理解を軸に」です。
こちらの参考書は、圧力や温度、運動といった日常的な現象を解説した力学用の学習教材となっています。
エネルギーの概念を中心に据えて、物理学の基本を一から学べますので、初学者の方や独学派の方にはとくにおすすめです。
物理のための応用数学
引用:裳華房
物理の「脱初学者」を果たした方におすすめなのが、「物理のための応用数学物理のための応用数学」です。
本参考書には、応用数学の中でも微分と偏微分、ガンマ関数、デルタ関数などの解説と演習が多数収録されています。
難易度は標準レベルですので、主に大学2年生以降の方に推奨されます。
また、姉妹書となる、「基礎演習シリーズ 物理のための応用数学」を合わせて用いることで、より理解の一助となりますから、本参考書と同時に購入するのもおすすめです。
量子光学と量子情報科学
引用:honto
基本的な量子光学と量子情報科学の知識を得た大学生におすすめの参考書となるのが、「量子光学と量子情報科学」です。
この参考書の特徴は、なんといっても古典的な量子工学のみならず、現代的な文脈においても、量子光学がどのように運用されているのかが、詳細に解説されている点にあります。
なかでも、量子テレポーテーションやユニバーサル量子情報処理などの解説はとてもわかりやすいと太鼓判が押されています。
量子光学と量子情報科学の基礎をマスターした大学生の方は、ぜひ本参考書を活用してみてください。
振動・波動 (裳華房テキストシリーズ―物理学)
引用:裳華房
大学物理では、振動・波動の学習に多くの時間を費やさなければなりません。
そのため、独学派の方などは、より効率性を意識した勉強をする必要があります。
そういった方々の強い味方となる参考書が、「振動・波動 (裳華房テキストシリーズ―物理学)」です。
こちらの参考書は、振動と波動の学習すべき内容がコンパクトにまとめられているという特徴を持っています。
そのため、学習量を最小限に絞ることができ、ひいては高効率な学びへとつなげることができます。
半導体デバイスー基礎理論とプロセス技術
引用:Amazon
半導体技術は、現代の私たちの暮らしを根本から支えてくれている技術の一つです。
そんな半導体について網羅的に学習するためには、わかりやすい参考書を選出するのが確実な方法と言えます。
そこでおすすめなのが、半導体デバイス物理を広く勉強できる参考書の、「半導体デバイス基礎理論とプロセス技術」です。
この参考書は、半導体デバイス物理の基礎学習のための一冊で、同分野に関する初歩的な解説がひと通り収められています。
大学物理の中でも、半導体デバイス物理に興味のある方は、まずは本参考書からはじめてみてはいかがでしょうか。
統計力学を学ぶ人のために
引用:Amazon
大学物理の中でもテーマが多く、学習の際には苦戦必至となりやすいのが、統計力学です。
この統計力学を学ぶにあたってわかりやすい参考書となるのが、「統計力学を学ぶ人のために」です。
本参考書は、読んだだけで理解できることをコンセプトに作られており、内容もできるだけ平易な表現を駆使した解説でまとめられています。
また、大学物理の講義で習う事項を、最小限に絞って収録していますので、教科書代わりとして使用してもよいでしょう。
初歩から学ぶ固体物理学
固体物理学を大学生が勉強するのであれば、「初歩から学ぶ固体物理学」がうってつけです。
こちらの参考書は書籍名にもあるとおり、初学者向けの一冊となっていて、基礎的な内容だけが徹底して収められています。
また、解説の順序も丁寧な構成になっていることから全体像の把握がしやすいうえに、問題も数多く収録されていて演習書としても使えます。
固体物理学のわかりやすい参考書を探している方には、基本に忠実な解説がめじろ押しの、こちらの教材がおすすめです。
電磁気学 (物理入門コース 新装版)
引用:岩波書店
大学物理における電磁気学を理解するためには、静磁場や静電場の理論を正しくインプットする必要があります。
このインプット作業で役立つ参考書となるのが、「電磁気学 (物理入門コース 新装版)」です。
こちらの参考書は、独学の方でもわかりやすいように解説と演習問題の両方が多数収録されています。
「超」入門 相対性理論 アインシュタインは何を考えたのか
引用:講談社BOOK倶楽部
かの有名なアインシュタインが唱えたことで知られる、相対性理論。
この相対性理論は宇宙の謎を紐解くための学問として、多くの分野で応用されています。
そんな相対性理論を初歩から学ぶためのおすすめの一冊が、「「超」入門 相対性理論 アインシュタインは何を考えたのか」です。
本参考書は、全部で11章の構成となっていますが、それぞれの章をアインシュタインの言葉をモチーフにして、でき得る限りわかりやすい解説がなされています。
本来なら難解なこと極まりない相対性理論ですが、こちらの参考書を用いて勉強することで理解が飛躍的に深まります。
大学の物理で相対性理論を学ぶ方には、まさに必携の参考書と言えるでしょう。
難問飛び交う大学物理の力学にも対応!優秀な参考書・教科書3選
次に、大学で習う力学のおすすめの参考書についても紹介していきましょう。
考える力
引用:Amazon
記事の前半において、大学の物理を学習するうえでは、まず力学から手をつけることをおすすめしました。
そこで推奨される参考書の一冊となるのが、「考える力」です。
この考える力の最大の長所は力学で使用する数学について、本参考書のみで完結できる点にあります。
また、解説も懇切丁寧でとてもわかりやすい仕上がりとなっており、多くの支持を集めています。
独学派の方にも強くおすすめできる参考書ですので、物理の入口用の教材として手に取ってみてください。
力学シリーズ
引用:Amazon
「力学シリーズ」は古くから親しまれ続けている、言わば力学の参考書のベストセラーです。
難易度は中級者向けとなっていますので、力学の基礎学習を終えた方の一冊しては最適です。
内容としては図を積極的に使用したり、見やすいようにレイアウトを工夫したりと、わかりやすい参考書を目指した作りになっています。
シリーズⅡまで出版されていますので、ぜひ両方を揃えて大学物理の学習に役立ててください。
解析力学 ([新装復刊]パリティ物理学コース)
引用:丸善出版
理論物理学を目指す大学生にとくにおすすめの参考書が、「解析力学 ([新装復刊]パリティ物理学コース)」です。
こちらの参考書のセールスポイントは、抽象的な内容をわかりやすい解説で補うとともに、例題を用いて復習を促している点にあります。
みなさんもご存じのとおり、何かを勉強した際には復習は必要不可欠ですが、本参考書には数々の例題が収録されていますから、すぐに学習内容を振り返ることができます。
独学でも学べる参考書で大学物理を深く学ぼう!
今回の記事では、大学の物理を学ぶためのおすすめの参考書を、12冊ピックアップして紹介してきました。
どの参考書もわかりやすい点が高評価を得ており、独学派の方でも安心して手に取れるものばかりです。
これから大学の物理を学ぼうとする方は、まずは力学の勉強からはじめてみて、その後ほかの分野の学習に移ってみてください。
大学の物理をより深く、そしてより効率的に理解できるはずです。
コメント